他人のお金
多くのスタッフは、会社の経費を他人のお金と認識しています。
なので、無駄遣いをしがちです。
経理担当の上司が、お金はみんなのお給料にも関係していることを教えていなければ、解決されない問題です。
例えば、サラリーマンが飛行機に乗って出張に行く際、JALのビジネスクラスで行くことがあるとします。
もしも、そのサラリーマンが裕福でなければ、個人的な用事で乗る際は、エコノミーか格安航空会社を選ぶかもしれません。
これが他人のお金という話です。
他人のお金なら、自分のお財布を痛める訳ではないので、あまり悩まずに使えます。
買い物をするという行動は、脳科学的には、痛みを感じるというのです。
なので、高い物を買うほうが、安いものを買うよりも、その痛みは大きく感じるのだそうです。
身近な例で言えば、スタッフに、お店の備品の買い物をお願いした時、価格を気にしないで、頼まれた商品を買います。
前にあった例では、領収証を買いに行っていただいたとき、近くの文房具屋さんでは300円くらいしますが、少し歩けば100円ショップがあります。
ですが、スタッフは面倒なので、近い方で買うことを優先します。
もしも、100円ショップが近ければ、100円ショップで買うでしょう。
とはいえ、備品などを、スーパーや家電屋さんやホームセンターなど、いろいろな場所で購入をするでしょう。
そういう時に、得てして、価格比較を行わず、一番最初に目についた物を購入してしまうのです。
ですがそれが、自分のお金だったらどうでしょうか?
価格比較とその商品価値を考えてから購入する方が、多いかと思います。
コスト削減
余談ですが、スタッフの生産性を考えると、買い出しは生産性が上がるものではありませんから、早く帰ってくるに越したことはないのですが、暇な時に買いに行くのであれば、生産性と時間のコストという概念は関係ありませんね。
コスト削減を考えるとき、削りやすいコストは広告費かもしれませんが、小さい積み重ねのコストも大事だということを、常々考えておきましょう。
とはいえ、安ければいいという訳ではありません。
当然、商品価値を考えての判断です。
領収証は300円でも100円でも変わらないと思いますが、電池の場合、100円ショップの電池は持ちが悪いとか、そういうことは考えられますので、全てを100円ショップで買えということではありません。
安く売る工夫
100円ショップは海外で生産され、その商品は悪いものと決めつけている方もいるかもしれませんが、それは違います。
中には、日本で生産されているいい商品もあります。
しかしながら、100円で売られるには、その工夫があるのです。
例えば、何かの生活用品を作っている会社があったとします。
その商品の受注は、毎月同じ数ではない会社がありますね。
年中、忙しければ、問題ありませんが、暇な時期はどうすればいいのでしょうか。
生産を縮小するという手もありますが、そうすると従業員のお給料が少なくなってしまいます。
そういう時期に、従業員を遊ばせておく余裕のある会社も少ないでしょう。
そこで、100円ショップ側は以下のような提案をします。
御社でこの商品を作ってください。
暇な時で構いません。
期限もいつでも構いません。
作ったものは全部買取します。
その代り安く仕入れさせてくださいと。
会社は、従業員を遊ばせておくよりも従業員のお給料分が出ればありがたいし、暇な時で構わないし、期限もないとすれば、願ったりかなったりでしょう。
最近、テレビコマーシャルをしているラクスルという印刷会社も、このような方式で、安く印刷することが出来るのです。
どこの会社も、お客様も得をするWIN・WIN・WINの関係が成り立っているのです。
営業の工夫にも
会社のお金ということは、つまり、その方のお財布を痛めることが無いので、お金を使うことに対してのハードルが下がることが分かりました。
このことは、営業マンが提案する内容も変える必要があるということです。
つまり、売りたいお客様が会社であれば、その商品を売り込みに行く際に、2パターン用意しなければなりません。
ひとつは、お客様の会社の窓口の担当者が欲しくなるという商品価値の提案。
もう一つは、価格を考えたウリパターン。
担当者が欲しくなり、いざ購入の決済をお願いしても、最終的に決済する方が、お金にシビアな場合があります。
その際に、価格を考えたウリパターンを、その決裁者に提案します。
初めから担当者に、価格を考えたウリパターンを説明しても、担当者は乗り気にはなりません。
自分のお財布から出すわけではありませんから、価格戦略には乗ってこないでしょう。
担当者は、それよりも、本当にそれが必要なのかどうか、今必要なのかどうかという点に興味がありますので。
もちろん、担当者と決裁者が同じなら、両方の提案が必要です。
