値上げ戦略の具体的な流れ

価格を上げていく価格戦略の流れを説明します。
まずは、ウリを作りましょう。

技術でも構いませんし、サービスでも構いません。
貴方の強みを生かしたウリで、しかも、お客様のニーズに合っているウリであれば、尚更、いいです。
ウリが無くては、どうしようもありません。
お店のウリが、今までにはないカテゴリーなら、価格競争に巻き込まれません。
しかしながら、違うカテゴリーを作るのも難しい話ですね。

例えば、世界には、日本では、まだ誰も知らない施術方法があるかもしれません。
それが、手技療法の概念を覆すようなことであれば、価格はどんな金額でもいいでしょう。

身近な例で言えば、オイルマッサージであっても、ブライダルの準備としてのオイルマッサージという切り口なら、金額設定も比較的、自由です。
要は、同じものを売るにしても、切り口を変えることです。

購入機会や頻度が少ない商品やサービスは、高価格が維持できます。
他社が値下げするほど、逆に高価格でも業績は上がります。
しかしながら、単に価格が高いだけではお客は離れていきます。
大切なのは売れる価格を知ることです。
そして、値上げしてもお客様が納得するサービスなり付加価値をつけることです。
考え方としては、なぜお客様はうちに来たのか?
なぜ、私は指名されたのか?を検証してみましょう。
お客様の評価を客観的に知ることで、自分の強みが見えてきます。

ライバル争いのメリット

知っての通り、ライバル競いはマイナス面ばかりではありません。
例えば、世の中にない新商品を開発した場合、競合相手がいれば商品に対する信用は高まり浸透しやすくなります。
当社で激安価格のお店を打ち出した時、競合店がありませんでした。
そのうち、安い価格のお店が世の中にポツポツと出てきましたね。
その時に私はスタッフに話しました。
「安いお店がもっと増えたら当店も、もっと儲かるよ」と。
スタッフの中には不思議に思われた方もいるかもしれません。
ライバル店が増えたら、当店が儲かると言っているのですから。

しかしながら、理由はこうです。
競合相手がどんどん宣伝してくれれば、そのマーケティングに便乗することが出来ます。
安いお店の選択肢が複数ある事が知られれば、お客様は「安い価格のお店もたくさんあるんだなー」と安心します。
もちろん、リスクもあります。
それは、施術を時間と価格だけで比較される可能性があることです。
そうなると、ただの値引き合戦になりかねません。
そうならない為には、他社との差別化を図り、単純に比較できないようにすることが必要です。
具体的には独自のウリを前面に押し出していくことです。

もちろん、今後は、その強力なウリがあっても、技術をもっと高めていかなくてはなりません。
理由は、世の中に上手い施術者が多くなってきたからです。

ターゲットの選定

さて次に、ターゲット(ペルソナ)の選定を考えましょう。
経営コンサルタントなら、高価格帯を狙うことをお勧めするでしょう。
高価格帯の方が粗利も確保しやすいです。
高価格を狙うなら、頻度は少ないお客様というターゲットになるでしょうし、安い価格なら、頻度が多いお客様を狙うことになります。
どっちも取りたいからと言って、中間価格帯にすると、魅力が落ちます。
理由は、高価格帯のお客様にとっても、低価格帯のお客様にとっても、中途半端な魅力だと来店されることはないからです。
高価格帯では、高級感あるゆったりとした内装や、良質なサービスが必要です。
もちろん、その運営は簡単ではありません。
得てして、高価格帯のお客様は礼儀正しく、エデュケート(当社の方針や運営などを教育すること)出来ます。

しかしながら、先行している強力なブランドがいたとしたら、それに対抗するには、極端に下回る金額をつけなければ顧客を奪えません。
ですが、強力なブランドがなければ、価格差はそれほどでなくても大丈夫です。
ターゲットを選ぶ際には、戦略としては、強豪相手のウリを圧倒する自社商品のウリを作り、そのウリを重視する顧客をターゲットにすることです。
そして、お客様をファンにすることです。
ファンにすれば、価格戦略も自由に出来ますね。

広告する

ウリが出来たら、今度はそれを広告していきます。
広告ポイントは、お値打ち価格で、お客様が欲しがる理由があり、ここにしかないものを作り、上手く宣伝していくことです。

広告する際にも、ターゲット(ペルソナ)の選定が重要になります。
広告では媒体の力が関係しますので、費用対効果の出る媒体を選びましょう。
力のないサイトなどもありますから、無闇やたらに広告すればよいというわけではありません。

資金的余裕があり、いろいろな媒体を同時期にやる際は、どの媒体の力なのか分からなくなりますので、テストをします。
識別番号や合言葉、何を見たという事を言ってもらうとか。
もしかしたら、同じ媒体でも時期や曜日によって違う反応が出るかもしれません。
そういう場合は、識別番号を言ってもらい効果測定するのがいいでしょう。
垂れ流しに広告費を使うのではなく、時に見直すことも重要です。
サイトでも、初めは上位ページにあったから反応が出ていても、いつの間にか、下位ページになっていて、反応が低くなることもありますから。

業界は成長期なのか衰退期なのか

業界がどのような時期にあるのかを知ることが大事です。
成長期なのか、成熟期なのか、衰退期なのかで、価格戦略も異なりますし、お客様のニーズも異なります。
一般に、導入期から始まり、成長期、成熟期を迎えます。
その後は、新たなる成長期か衰退期になります。

手技療法業界は、今(2018年)は成熟期と言えます。
成熟期に値下げをすると負のスパイラルになります。
出来れば、付加価値をつけた値上げ戦略を行う方が得策でしょう。
当社では、値上げしても、お値打ちという観点は外しません。
安いから買うお客様は高くなると離れていきます。
安いだけが取り柄だとあきられてしまいます。
そして、安いからそのお店に来たと言うお客様に、値上げ戦略を行うには、エデュケーションが必要です。
手っ取り早いのは、初めから、違う価値で、違う価格でお客様を集めることです。

この後、成長期になっていけるのかどうかは、なかなか難しいものがあります。
しばらく停滞するかもしれません。
根本的に、施術者が一丸となって、業界の成長に取り組み、且つ、治す施術を真剣に考える施術者が多くならないと、停滞したまま、だんだんと衰退していくかもしれません。

2020年過ぎの戦略を考えていますか

余談ですが、2020年過ぎには、日本は再び不況になるので、価格戦略も柔軟に考えて、その時にはどういう戦略のお店を作るのか、増やすのかなど、いろいろと考える必要が出てくるでしょう。
何故、2020年に不況になるのかという根拠は、バブルが30年周期にくること、東京オリンピックの2020年を境に、政府の公共事業への投資が減ること等々です。

とある統計によると、食品業界においては、経済的に厳しくなったからといってスーパーでの1回あたりの買い物量を減らしたお客様は、なんと全体の約半数しかいないそうです。
1カ所でしか買い物しなくなったという客も同じく50%
今までより安いメーカーの商品を買うようになったと答えた客はわずか35%
つまり、約半数以上のお客は、割引商品があるにもかかわらず、なじみのメーカーの食品を定価で購入しているという事です。
信頼のおけるメーカーの食品なら、今以上のお金を払っても良いと言う質問にハイと答えた人は81%
つまり、大半のお客様は、不況下になっても、食の安全などの信頼を求め、商品を購入しているのです。
ポイントは、信頼です。
私たちの業界の信頼とは、何でしょうか?
いい接客もその一つでしょうが、一番は、効果を出せる技術ではないでしょうか。
効果がある技術を必ず提供できるなら、多少高くても、受けてくれるお客様は沢山いるでしょう。
人は贅沢する時は、頻度を若干減らしても、以前よりもお金をかける傾向にあるという話もあります。