手技療法業界における安売り戦略について

当社が、安売り戦略を展開したのにも目的がありました。
「もしも私が整体に通うなら、いくらくらいが妥当かと」

「60分6000円なら月に一回通うかもしれませんが、60分3000円なら月に二回通うかもしれないな」と。
「そりゃ、2回行ければ、身体の調子も良くなるだろうな」と。
「この業界を発展させるには、今マッサージ好きな人だけではなく、多くの人に手技療法を受けてもらいたい」と考えると、マーケットを拡大するためにも安売りは必要だと考えたのです。
私は接骨院の院長だった時に、その仮説のもとに、60分3000円を提供してみました。
すると、面白い反応がありました。
それは、月に何回も通うお客様が増え、施術効果がみちがえるほど、上がったのです。

当時の接骨院のビジネスモデルとしては、15分くらいの手技療法と低周波の物理療法がメインだったのですが、長い時間の施術を行えることで、治療効果が高まったのです。
そして、施術者のおいても、15分の施術では行えなかった治療法をいろいろと提供する事ができ、実力も上がるうえに、ルーチンではない仕事の喜びも出来ました。
もしかして、今のリラクゼーション業界はルーチンだと思われている方も多いと思います。
それは、おそらく、「単なる肩こり腰痛」の施術を行うだけで、お客様の悩んでいる痛みに対して施術を行っていないからだと考えます。
「痛み」に対しての施術は、カルテを残しお客様の状態を記録したりして、その「痛み」の原因を探らなくてはなりません。
多くのリラクゼーション系の施術院では無理かもしれませんが、治療の施術を売りにしているなら出来ると思いませんか?
そうなれば、付加価値をして提供できますので、高単価で提供できるでしょう。
 

私の考えていた当初のマーケット拡大の戦略は浸透価格戦略というものでした。
この戦略は、ある商品サービスを市場に売り込む際、出来る限り多く、そして早く、その商品サービスの認知度を上げて広く浸透させることを目的としています。
そして、そのスケールメリットによって、次の戦略を生むものです。
浸透価格戦略は、消費者は安ければ安いほど喜ぶという前提のもとに成り立っています。
そして、市場でナンバーワンになってこそ意味を持つ戦略です。
とはいえ、中小企業の場合、まず利益を得ることが最優先で、市場でのシェアは二の次でしょう。
新しくお店を出す場合に、お店が出来たことを認知していただくために、先着何名様までプレゼントなどは、この戦略だとも言えます。
この戦略の成功のポイントは、安さで集めたお客様に、ついで買いさせられるか、もしくは、お店のストロングポイント(差別化された強み)を認識させ、次の来店につなげられるかという点です。
もしも、その方策を打たないで浸透価格戦略を行ったら、それはただの割引です・・・。
また同じことを行わなければ、お客様は再来店されません。
 

浸透価格戦略は、新しくお店を出すときや、業界の成長期前半などにはいい戦略です。
安いものを提供すると同時に、高価格の物もメニュー化して、お勧めできる状況にしておくと、更にいいです。
 

私の当初の目的は、半分くらい果たされました。
なので、次のステージとして、高単価を提供する時代になっています。
ですが、同時に、将来の顧客創造のための低単価戦略も大事です。
とはいえ、一つのお店で、両方の戦略をやるのは難しいですので、お店を複数店、運営し提供しています。
 

小さなお店のこれからは、安売りのお客様を集めることだけではなく、お客様が欲する付加価値を見つけ出し、提供する事で、高単価をいただくお店へと成長していかなくてはなりません。
ポイントは、あなたがやりたいこととお客様のニーズは、ずれているかもしれないということです。
しかしながら、今はニーズが無くても、将来、ニーズがあるかもしれません。
広告の出し方のよってはニーズが出来るかもしれません。
その方策についても、別の機会に説明します。
まずは、ニーズのあるものの中から、自分のやりたいことを選び、オリジナルへと進化させていくのが手っ取り早い方法です。
 

といろいろと書きましたが、実は、低単価のお客様を、高単価でも買うというお客様に誘導していくのは、なかなか難しいものです。
そこで、価格戦略のポジショニングという項目を読んでください。