価格帯で客層は変わるのです。値付手法2、浸透価格戦略

値下げで集めたお客様は、価格をあげると離れていきます。
客層というのは、価格帯によって異なるのです。


例えば、銀座の高級レストランに頻繁に行く客層と、吉野家に頻繁に行く客層は違います。
もしも、高級レストランで普段の料理を、牛丼のように、値引きセールなんてやったら、良質なお客様は離れていきます。
しかしながら、銀座の高級レストランにあこがれている主婦やOLさんは集まるかもしれませんね。
ちなみに、ケーキバイキングで主婦やOLさんが集まるのは、ちょっと違う意味合いがあります。
高級ホテルなのに安売りしてると誤解しそうなので、ケーキバイキングについて説明します。
ケーキバイキングは、普段のディナーで提供している料理ではありませんし、お客様があまりいないお昼にやることが多いですね。
一度来店してもらったほうが、来店していないお店よりも、来店してくれる確率が高くなるという戦術です。
OLさんは、結婚したり、環境が変わるので、将来、お金持ちになるかもしれません。
未来の顧客を育てるという意味合いもあります。
なので、ケーキバイキングは赤字でさえなければ、純利益としては低くても構わないのです。
話を元に戻します。
元の価格から値引きをすると、既存のお客様の中から、安売りが好きなお客様が残ります。
それと一緒に、安売りが好きなお客様が集まります。
昔、マクドナルドで、激安でハンバーガーのセールをやったことがありましたよね。
その際に、女子高生が多く集まり、たまり場となりました。
その結果、お店自体の回転率は落ち、元いた客層は、女子高生の騒ぎっぷりにうるさいからと離れていきました。
安くしたことで、一時的に売り上げは伸びましたが、そのセールをやめると女子高生は離れていきました。
しかしながら、そもそもいた客層は、他のお店に定着してしまったので戻ってきません。
ここから、マクドナルドの低迷がしばらく続きました。
その後、マクドナルドは違う手を打ってきます。
それは、単に安くするということではなく、付加価値をつけた新商品を打ち出すことです。
メガマックやクォーターパンダ―、マックグリドルなど、高価格の商品、期間限定、朝限定商品を打ち出したりすることで業績回復しました。
いまでもたまに、安くするセールを行っていますが、それは、若い客層も取り込みたいという狙いがあります。
若い客層は、将来にわたって利用してくれる可能性が高いからです。
そして、安い価格帯のお客様を高価格帯の商品を提案し、収益性のあるお客様に成長させていくという戦術をとっています。
手技療法の業界においても、子供整体や子供整体教室などを行うと、将来にわたってのファンを作ることができるかもしれません。
おそらくですが、若いうちにマクドナルド頻繁に利用していたお客様と、行ったことがないお客様を比べると、行ったことがないお客様は、大人になってマクドナルドを利用する機会は少ないでしょう。
頻繁に利用している人は、何かのたびに、マクドナルドで食べたいなと思い出す刷り込みがされています。
そういう意味では、安売りセールは、将来顧客の拡大に一役買いました。
当社が、最初に取り組んだ戦略は、マーケット拡大を目指す浸透価格戦略というものでした。
この戦略は、ある商品サービスを市場に売り込む際、出来る限り多く、そして早く、その商品サービスの認知度を上げて広く浸透させることを目的としています。
そして、そのスケールメリットによって、次の戦略を生むものです。
浸透価格戦略は、消費者は安ければ安いほど喜ぶという前提のもとに成り立っています。
そして、市場でナンバーワンになってこそ意味を持つ戦略です。
とはいえ、中小企業の場合、まず利益を得ることが最優先で、市場でのシェアは二の次でしょう。
新しくお店を出す場合に、お店が出来たことを認知していただくために、先着何名様までプレゼントなどは、この戦略だとも言えます。
この戦略の成功のポイントは、安さで集めたお客様に、ついで買いさせられるか、もしくは、お店のストロングポイント(差別化された強み)を認識させ、次の来店につなげられるかという点です。
もしも、その方策を打たないで浸透価格戦略を行ったら、それはただの割引です・・・。
また同じことを行わなければ、お客様は再来店されません。
浸透価格戦略は、新しくお店を出すときや、業界の成長期前半などにはいい戦略です。
安いものを提供すると同時に、高価格の物もメニュー化して、お勧めできる状況にしておくと、更にいいです。